このあいだ、BADGEのライブが終わり、カウンターで一杯飲みながら、話してたときのこと。
流れで、SHACKSの赤沢くんに「いつ音楽はじめたんですか?」と聞かれた。
『バンドはいつ?』とか『ギターは何歳から?』ってのは、よくあるけど、「音楽は…?」って聞かれたので、自分でも、「そういうなら、いつだ?」とちょっと考えてしまった。
もっとも遠い記憶でいえば、テレビやラジオから流れてくる音楽に合わせて踊ったり、唄ったりしてたのもそうだと思うけど、その中でも転機として覚えているのは、おはよう!のどじまんに小学校の隣のクラスの”佐藤くん”が出演し、ジュリーの「サムライ」を唄うのを観たときだった。
外で唄うことは特になかったけれど、密かにおばあちゃんの三面鏡の前で趣味としてやっていた流行歌手の歌まねが自分なりに出来が良いと思っていた矢先の事件だっただけに、先を越された感はハンパなかった。
つまり、彼は俺の先に、しかも本物の”スター”になったのだ。
そんな俺がその彼に『追いつけ追い越せ』的な感じでスターになるため、思いついたことが、定期的な”俺様”リサイタルの開催だった。
簡単にいうと、ジャイアンリサイタルと同じで、その当時のベストテン番組のランキングそのままを、自分一人で全て唄うというものだった。
凝ったときは、それこそお手製チケットを作り、音楽の先生を招待したり、ウザさも尋常では無かった。
「机をステージに」という紡木たくのメチャイカした漫画が当時あったが、俺のそれは、坊主頭で半ズボン。松田聖子から、中森明菜、横浜銀蝿、イモ金トリオと一人で唄いまくるのだから、興味がないやつにとっては、地獄だったに違いない。
その後、中学生でギターに初めて触れるのだが、全ての原点が、この”俺様”リサイタルにあるのは、間違いないなと、30年以上経て発見したのだった。
中学生バンドの話は、そのうちまたしようと思う。
今回も最後まで読んでくれて、アディオスアミーゴ!