お祭りの会場へ
意外と知られていない話だが、アメリカの恥部とも言われているベトナム戦争に借り出されたネイティヴアメリカンは多い。
運転手のおじさんと荷台の窓越しに話したのだが、彼は日本に一時いたという。
「この脚はベトナムでやられたんだ。俺はその時、沖縄から行ったんだよ。日本は良い国だ。」
リザベーションに入ると、荷台の若者は先に降り、再び3人でWindows Rockを目指す。もう、その辺に来るとお祭り騒ぎが始まっていて、車も渋滞し、警官も道路整理をしていた。
「さぁ、行こう。」
僕と、黒服、ビール瓶。3人連なりに歩いて、リザベーションの中へ。まるで地元にある米軍基地に入っていく気分だ。
特設の野外ステージには、たくさんの白人が座り、パウワウと呼ばれるネイティヴアメリカンのダンスコンテストが行われていた。一時だけでも絶望を忘れさせてくれる、そんな雰囲気だった。
初めて観たその光景は、今でも脳裏に焼きついていて離れない。
ゼッケンをつけ、羽根で着飾ったダンサーたちが、フィールド狭しと円形に踊る。目と心を同時に奪われた。
勇壮で、激しい情熱を伴うダンス。どこか、日本人のルーツにも似た何かを感じると思う。皆さんも、ぜひ観てみてください。