水泳の指導員となってから、今年で実は満30年になる。今日までの間、本当の意味で満足出来た指導は1度もない。日々、試行錯誤の連続でこれまでやってきた。「これ!」というメソッドが発見できれば良いのだけど、やはり、指導する対象である子どもたちは体格、性格、性質、それぞれまるで違うので、いくつもの方法を取らざるを得ず、そうはいかない。
けれど、それでも何かしら指導する上での共通のものは無いかと考えているのだが、ここのところ気になるのは、子どもたちが大人に恐怖心や猜疑心のようなネガティブなイメージを持っているかどうか。また、その度合いがどのくらいなのかということだ。
要は子どもから信頼されるかどうかなのだが、これがなかなか難しい。
「大人」というレッテルを貼られてしまうと、ほとんどの話は受け入れてもらえないのだ。まさかと思う人もいるかもしれない。だが何らかの体験を通して「大人」をいわゆる「大人」=「恐ろしい人」として認識している子どもたちは、決して少なくないということが徐々にわかってきた。
その子達が特別運動が苦手であるとか、水が嫌いだとか、そういったことが問題なのではく、強いて言うならば「大人」が苦手で、「大人」の言うことが信用できず、行動を躊躇してしまう。
これは子どもたちの健全な成長を考える上で、大きな問題をはらんでいると言わざるを得ない。
機会があったら、この辺のことをもう少し掘り下げて取り上げてみたい。