桜の花が散りゆく川沿いの道を西に向かって走る。
花と若葉が混在するような不思議な光景の下、クマバチが得意気にダンスを披露する。コジュケイが僕の姿に慌てて飛び上がる。
生命の輝きに満ち溢れ、多幸感の強いこの季節に、死を予感しながら、走る。
臆病な僕は、やがてくるサヨナラに備えることなど、どうせできやしない。坂本龍一のようには決してなれない。
それでも、走る。
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