訳あって、高知県入りしている。
そんなにあちこち旅行している訳ではないが、高知県には一度行ってみたいと思っていた。
一つは、坂本龍馬をはじめとする幕末の志士たちの出身地として、少年時代から、馴染みがあったからということ。
もう一つは、日本酒の名産地としてだ。
昨今の焼酎ブームで、日本酒はどうも押され気味。それでも、俺は日本酒が好きと公言してきた。
その中でも、最近のお気に入りは土佐のお酒。地元の焼鳥屋さん(鳥中)には、土佐のお酒が揃っているので、時々、顔を出しては飲んでいる。
で。高知に行くからには、日本酒だ!と、思っていたところ、驚くべきお店を発見した。
安岡酒店BLUESさんである。
たまたま、宿泊先である、ホテル日航高知の隣にそのお店はあった。
「え?え?こ、ここは何?」
と、最初から興味津々で、着いた日の夕方には、もう店の中に突入していた。
すごいレコードの数!一体何なんだ?と、思いつつも、店主にたずねる。
「ここは日本酒を飲めるところですか?」
「はい。」
「ここで、飲めるんですか?」
「ええ。」
「では、何かいただきたいのですが…」
と、おもむろに財布を取り出すと、
「いえ、ここでするのは基本的に試飲ですので、お代は結構です。」
「え?いらないんですか⁈」
「はい。」
初めてである。酒屋で3杯も試飲でいただいたのは。しかも、いずれも、美味しい。そして、種類が豊富である。ここ、高知県で作られるお酒は全て揃っているといっても過言ではない。
そして、最終日の前日。再びお店を訪ね、試飲したお酒とその他諸々をたんまり購入した。
で、色々話は弾み、ギタリストであるという店主の安岡さんと短いセッション。
酒屋でギターを弾いたのは、生まれて初めての経験だった。
歴史のある店舗に響く音色が心地よく、ついつい時間を忘れてしまう、本当に楽しいひと時であった。
皆さんも高知に行く機会があれば是非寄ってもらいたい。
高知、大好きな街。また、いつか絶対、来よう。良い旅でした。