今週の一冊

責任と判断 (ちくま学芸文庫) ハンナ・アーレント https://www.amazon.co.jp/dp/4480097457/ref=cm_sw_r_cp_apip_BFxGgefef8WTw

本書で語られている議論は「悪の凡庸さについて」の後に語られたものであるが、どれも大変重要なもので、僕がここ数年の間に読んだ書物の中でも際立った存在感がある。


人間の営みを「外的な評価」と「経済的合理性」だけで捉えることは大変危険なことだと僕は考えている。社会が提示するものを個人としてただ受け入れて、都合の良いものを上手に取り出すことが賢い人間の営みだとするなら、その社会は一体誰が形作るのか?
このことを端的に示すことができる人は実はほとんどいない。ある人は「民主主義における投票」だと言い、ある人は「デモに参加し声をあげること」だと言う。しかしこれらは、考える力がある人に向けられた言葉であり、実際にどう行動したら良いかを示唆する言葉でしかない。しかし、本当の問題は「社会は勝手に回っているのであり、その時々のトレンドに従い、流されて行けばよく、賢い私はその中から自分にとって最善のものを選択するのみ」という”考えることを拒否した個人”が、社会の大多数を占めるということであると僕は考えている。このことに対する明確な回答がこの書には書かれている。


人生は、コンビニの冷蔵庫から飲み物を選ぶ作業や、ファストフード店でセットを選ぶ作業とは根本的に異なる。社会、とりわけ政治においては、何も考えずに選んだ飲み物が時空を超えて、誰かの人生を変えてしまうことがあるからである。そして、その誰かとは、自分の愛する家族や、あるいは自分自身かもしれない。

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ken1sawada について

Swimming Coach, Surfer, Musician http://twitter.com/ken1sawada/
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